アイドル黙示録 中二ブログ

16ビートとともにあれ

ワルになりきれない少女たちの物語 こぶしファクトリー『辛夷の花』 #kobushi_factory




辛夷其ノ壱(初回生産限定盤A)(DVD付)
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不意打ちでアップロードされたのでうかつに再生したら涙出ますよ!












星部ショウによる作詞/作曲/編曲
星部ショウのハロー!文脈の正確な読みはとりあえず別に書くとして、星部ショウの言語化したこぶしファクトリーの方向性というものがこの曲に顕れていると思うんですよ


まず、Berryz工房→スマイレージという流れがある
2000年代初頭のベッドタウンの子供たち、どこにでもいる、クラスで一番人気のある女子、それがBerryz工房のコンセプトとしてあったんですね
その「子供」の部分をそのまま出してきて「はい、これが最新のアイドルの形態です」と見せたのが新しかったわけです
そしてスマイレージは2010年代の、ちょっとやんちゃな「悪ガキ」がコンセプト
おしゃれに夢中で、バイト先で恋をしたり、恋とかデートとかよくわかんないけど、とりあえず恋もするしデートもするという、ちょっと前の大人が聞くと顔をしかめそうな、そんな現実を生きている女の子


そういった二つのグループの地続きにこぶしファクトリーはあって、彼女らはどんな女の子かというと、ますます社会は厳しくなって、震災というリアルなカタストロフを原体験としてもつことで、今日を生きることに価値を見出した世代というか、今日という日は今日しかないし、未来は今日の延長線上にあるということを知っている
浮かれた恋よりも、友人とのつながりが必要なSNS世代
互助会のようなものがなければ、つながりの薄い社会を泳ぎきることはできない
決して溺れることが許されないことは、嫌というほどネットによって見せ付けられる
だから恋の歌よりも、仲間を思う歌のほうが重要だし、そのなかで自分の価値を知りたいと願う女の子たち
彼女たちは、悪ぶったオシャレをするけれど、ワルにはなりきれない
ワルになったら、誰も相手にしてくれなくなるからね


しかし、それでも堕ちてしまったらどうする?
それが本当の仲間だったら?
瞳でスクリーンショットした映像で笑っている、あの子だったら?


こぶしファクトリーは、自らを罰し続ける女の子たちのために歌っている
春を思いながら



そんな唄です 聴いてください『オラはにんきもの』




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