アイドル黙示録 中二ブログ

16ビートとともにあれ

ハロプロ歌詞解析#4 モーニング娘。『この地球の平和を本気で願ってるんだよ!』 タイトルがふるいにかける、夢見るものとそれを笑うもの




鞘師元気!?









つんく♂的、ひいてはハロプロ的ともいえる非常に癖のあるタイトルで、こういうタイトルが来ると身構えてしまう人が多いかもしれません。
つんく♂のこういった感覚は、大真面目にビートルズのパロディをやっていると考えれば説明が付く部分が多くあります。庵野秀明がアニメで特撮のパロディをやるようなものです。
抗えぬ運命。


モーニング娘。47枚目のシングルであり、高橋愛のラストシングル。
今回も独自の解釈ですのであしからず。






それではいつものようにプロデューサーであるつんく♂のライナーノーツから。


モーニング娘。第47枚目のシングルです。
今回のシングルは両A面というべきか、ロングな一曲というべきか
少し意味があります。

この作品はある女の子の頭の中と仮定してあります。
ある女の子の頭の中には今とても気になっている重要な事があるのです。
年頃の女性の悩みと考えれば10も20もあるでしょう。

その中でも超重要な問題。
ひとつは今のこの地球の環境であったり、日本の状況です。
やっぱり平和で、そして誰もが幸せな時代であってほしい。
そう願う事ともうひとつは大好きな彼との将来の事。
いつかは彼と素敵なかわいいお店を持ってみたい。

この2つ、世間的なスケールでいうとものすごい大小あるのかもしれませんが、
でも、年頃の少女からすればどちらもすごく大切なのです。

なので、この作品達はそれぞれ曲調も雰囲気も違うし、
演出方法も違うのでビデオの中身も全然違うのですが、
でも1曲だけでは何かが足りない。
この重要な問題が2つならんで初めて成立するように思ったんです。

なので、この2曲は2曲がつながり、そしてメビウスの輪のごとく
何度も何度もくるくる回ることに意味があり、なのでMVも
そうなるように監督と話合いそういう演出にいたしました。

バックトラックの雰囲気も歌い方も衣装もダンスも全然違うけど、
でも1曲なんです。

その辺をぜひ楽しんでいただきたいと思います。

レコーディングには光井も鞘師も参加出来ています。
ただ、今回は皆さんご存じだと思いますがMVを撮るときの光井は足の骨折があったのでダンスには参加出来ていません。

後半部分の「彼と一緒にお店がしたい!」の方は道重がセンターを取っています。
いいですよね。雰囲気たっぷりで。

http://ameblo.jp/tsunku-blog/entry-10997453687.html



同時に収録された『彼と一緒にお店がしたい!』と二つで一つということに言及されていますが、とりあえず今回は『この地球の平和を本気で願ってるんだよ!』のみの解析となります。




シングルV「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!/彼と一緒にお店がしたい」 [DVD]
シングルV「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!/彼と一緒にお店がしたい」 [DVD]




まず、「この地球の平和を本気で願う」というのが、歌詞としてどこで出てくるか見てみます



試験勉強した日も
「昨日寝ちゃった」と言っちゃおう
スキな人は居るけど
絶対教えない

陰で努力してても
何食わぬ顔で生きちゃおう
この地球の平和を
本気で願ってる





もう、本当に唐突に出てきます。
こういった歌詞について、よく「四畳半と宇宙を等距離に見るのがつんくさんですよね」みたいな評価というか、そのケレン味がいい、みたいな評価がひとつあると思います。
でも、そこで終わっていいのか、この言葉を出す意味みたいなものを考えることを放棄しているんじゃないかという気もするので、もう少し考えてみます。

そのあとの歌詞。




ガキ扱い No Thank You
私の人生
誰かがどして邪魔をするのよ

さあ行け 未来は渡さない
愛の力 愛の叫び
そうだ 言われたからするでなく
みんながしてるからでなく
この手が掴む元気な未来
Love & Peace





前半までの歌詞と、後半の歌詞が、どのようにつながっているかが問題です。
さらに、「愛の力 愛の叫び」とは何を意味しているのか。


もう一度、歌詞を最初から見てみます




試験勉強した日も
「昨日寝ちゃった」と言っちゃおう
スキな人は居るけど
絶対教えない

陰で努力してても
何食わぬ顔で生きちゃおう





これはどういう歌詞かというと、まあ、あるあるネタといいますか、この曲の主人公(彼氏がいるのでおそらく少女)が、普通の女の子であることを意味しています。
非常に現代的といいますか、ちゃんと目標に向かって努力することのできる少女ですね。


そんな子が、突然言うんですね、


「この地球の平和を本気で願ってる」。


この言葉を聞いて、みなさんはどんなことを思ったでしょうか。
「あほなん?」
「いや、デカすぎるよ、規模が!」
「子供の発想か!」
などなど、いろいろ意見あると思うんですが、そんな反応に対して、歌詞は続きます。




ガキ扱い No Thank You
私の人生
誰かがどして邪魔をするのよ





おそらく周りの大人や友達は「そんなこといってないで、もっと現実を見て」ということを言うかもしれません。それはすごく一般的な反応かもしれませんが、見方を変えたら、その少女に対して、自分たちの常識で矯正してやろうという意思も見られますね。
この子はまだ何もわかってないんだ、私たちが教えてやらなくては、という目線。
それに対して少女は「私のこと、なんにも考えてないガキだと思ってんの? どうして私がやりたいことを邪魔するの?」と言う。




さあ行け 未来は渡さない
愛の力 愛の叫び
そうだ 言われたからするでなく
みんながしてるからでなく
この手が掴む元気な未来
Love & Peace





これは少女の夢を後押しするメッセージです。
少女が「この地球の平和を本気で願ってる」とき、彼女には本当にその力があるんですよ。
それは未来を変えることのできる力。
「愛の力」「愛の叫び」というのは、言い換えれば自分の中から湧き出た力、自分の中から出てきた叫びのことです。
”愛”とはつまり、”本能”のことなので、それは少女自身のことです。
「この地球の平和を本気で願ってる」のは、彼女の中から出てきた、素直な願いなんですね。
だから、「言われたからする」でなく、「みんながしてるから」でなく、彼女が叶えたい願いだから、そのために彼女自身が努力するし、それを他者に阻まれることがあってはならない。


こういうメッセージは「TIKI BUN」でも発せられていました。
高橋愛の卒業シングルと、道重さゆみの卒業シングルが同じメッセージであるということ。


ハロプロ歌詞解析#1 『TIKI BUN』
http://jc02.blog111.fc2.com/blog-entry-4396.html


テレビ朝日『黄金伝説』で一ヶ月一万円生活に挑んだ道重さゆみが、布団にくるまって語った「今のモーニング娘。をもっと知ってもらいたい」という願い。
それを聞いたとき、「モーニング娘。て!」という人と、「うん、私も同じ思い」という人、それぞれあったと思うんですね。
その後、道重さゆみはリーダーとして、さらには優秀な広報として、自分のパブリックイメージを巧みに駆使し、モーニング娘。の知名度を向上させ、ふたたびグループを横浜アリーナに立たせました。


「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」という言葉は、リスナーをふるいにかける、審判の役割をしています。
この曲の歌詞は、そういった、愛の力を信じるものの道しるべとなるメッセージであり、決してそれをガキ扱いするものへのそれではない。
ジョン・レノンが平和への願いを歌っているのに、アイドルが歌って何故いけないのか。
少女にこそ、世界を革命する力が備わっているのではないか。


そして彼女は今日も、この地球の平和を本気で願い、彼と一緒にお店がしたいと願っている。




前例なんて No Thank You
諸行は無常さ
すべてを胸に受けて生きるさ

さあ行け 心は変えられる
夢を抱け 諦めるな
そうだ ただ鵜呑みにするでなく
辞書に載ってるからでなく
この手が挑む元気な未来
Love & Peace






「はちゃめちゃな人生じゃないよ、私なり考えて行動してるよ」


この地球の平和を本気で願ってるんだよ!

ジャケもビートルズのコラージュジャケットのパロディでしょうかね、つんく♂の姿もあります


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