「Visionははっきりしている」
『セクシーキャットの演説』
仮想敵としての道重モーニングと、いかにして戦うべきか
キーワードは、ピュアでいること
近年のつんく制作シングル曲のテーマである、「きみの夢を叶える力は、きみの中にしかない」
モーニング娘。に新たなビジョンを見た譜久村聖が、セクシーキャットとして選抜された理由は、セクシーだからではなく、ビジョンを実現させる力を持っているからだ
『ムキダシで向き合って』
星部ショウ作詞
星部ショウの詞は、韻の入れ方など、どことなく児玉雨子の書く詞に似ている
ただ、純乙女文学者の児玉ほどは「乙女」な成分は少ない
そしてつんくほどビートと言葉のリズムの化学反応によって文学の法則を曲げるような力技も、まだ見られない
今回の詞に関しては、非常にハロー!に寄せてきた感があり、氏の研究熱心な部分が垣間見える
(書籍のインタビュー時点では「ちょっと変わった要素を入れる」くらいしか認識してなかった)
そして注目すべきは「黒歴史」というスラング
その言葉を起点にして見ると、「しくじり」というのも、テレビ番組「しくじり先生」のイメージをデータベースから引っ張ってくる機能を持たせているのではないか
ストレートなようでいて、二重三重と楽しめる
『そうじゃない』
牧野まりあセンター曲として用意された楽曲
見るべきは「おしゃれしなきゃ始まんない 出かけるのに理由いらない」という、大胆な因果の逆転
全体的には、セクシーキャット見習いの少女の心の内を描いており、「ドキドキするような、なんかないかなぁ」の日常の飢餓感が、危うい少女の姿を浮き彫りにする
セクシーキャットの演説/ムキダシで向き合って/そうじゃない(初回生産限定盤A)(DVD付)